#011 大きなキッチンが住まいの中心。交流を愉しむ暮らし

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結婚と同時に叶えたアメリカンスタイルの家

新潟市西区旧黒埼町の国道8号線にほど近い場所に立つAさんご夫婦の家。平屋のようなゆったりとした佇まいの白亜の家の正面には、広い下屋があり、そこには家の外壁と同じ白いフォードのエクスプローラーが止まっている。玄関周りの外壁は青いペンキで塗られ、アメリカ西海岸の住まいを彷彿させる。

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2階建てだが、水平方向に伸びる外観は平屋のように見える。

2016年の夏に結婚した二人は同時に家を建てる計画も進めていたという。はじめは住宅展示場を見て回ったそうだが、どれも同じように見えてしまい、自分たちが望むアメリカンスタイルの家が叶えられるようには思えなかったと話す。

そんなときに奥様の知人が、渡部建築(現・株式会社Ag-工務店)の渡部栄次さんを紹介してくれたのだそうだ。

渡部建築はさまざまな住宅会社の仕事を請け負いながら施工技術を磨き、現在は加藤淳一級建築士事務所と連携しながら年間5~6棟の新築住宅を手掛けている。

「相談すると『いいですね!』『やりましょう!』と、私たちのどんな希望に対しても前向きに受け止めて、工事中の変更にも柔軟に対応をしてくださいました」と奥様。

「『あいつなら何とかしてくれる』と、頼ってもらえる大工でありたいと思っています。また、適切な工事費でフットワーク良くお客さんの希望に対応できることが、自分たちのような小規模な工務店の強みだと思っています」と渡部さん。

そうして2016年の年末に、ご夫婦がこだわったアメリカ西海岸風の住まいが完成した。

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渡部建築(現・株式会社Ag-工務店)代表の渡部栄次(わたなべ えいじ)さん。2016年秋、A邸の建築現場にて。

 

料理教室が開けるほどの、大きなキッチン兼ダイニングテーブル

新潟市内の調理学校で講師を務めている奥様がこだわったのは、LDKの中心に据えられた大きなキッチン兼ダイニングテーブルだ。将来的には自宅で料理教室を開きたいという思いがあり、造作してもらったのだそう。

建築士が設計し、大工が造る。そんなオリジナルのキッチン兼ダイニングテーブルは、住設メーカーのキッチンよりも空間との一体感を感じさせてくれる。さらに、同サイズのメーカー製のキッチンを入れると金額が大きく跳ね上がるが、大工工事で造ってもらうと、それよりもだいぶコストを抑えて実現できるのだという。

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LDK全景。キッチン兼ダイニングテーブルが中央に鎮座する。

大きな天板は料理をする時には広い作業スペースになり、料理が完成するとダイニングテーブルになる。「食材や道具をたくさん置けるので、同時に複数の作業を進められるんです」と、プロである奥様はその使い勝手の良さに大満足のご様子だ。調理学校の元教え子や学生さんを呼んで一緒に料理をすることもあるという。ぐるりとテーブルを囲めるので、数人でもストレスなく一緒に調理作業ができる。

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リビングから見るダイニングキッチン。ご主人が休みの日は、ご主人がキッチンに立ち、料理を作るのだそう。

 

自宅でスケートボードの練習もできる

A邸のLDKは、そんなキッチンを中心とした空間となっている。個室は奥にある寝室1つだけにして、家の中心となるLDKは仕切らずに広々と気持ちよく過ごせる設計だ。

ロフトのような2階があるが、ここはゲストが遊びに来た時にそのまま泊まれるように計画したものなのだそう。2階まで一体に造られているので、とても開放的で気持ちのいい空間となっている。

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LDKと一体につくられた2階はロフトのようなスペース。
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ゲスト用の布団が敷かれた2階。5~6人寝られそうなくらいの広さがある。
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手すりには屋外用の金属製フェンスが使われている。荒々しい要素も空間に似合う。

また、2匹のフレンチブルドッグと暮らしているので、玄関に近い部分の床は掃除がしやすいタイル張りにしている。「スケートボードやスノーボードをやっているんですが、ボードのメンテナンスをするのにもこの土間部分が役に立っています」(ご主人)。

30代になってからスケートボードとスノーボードを始めたというご主人。「家でもスケボーの練習ができるように、栄次さんにスケートボード用のランプ(両サイドにアールのついた傾斜がある台)を庭に作って頂きました」(ご主人)。自宅と一緒にスケートボード用のランプの製作を依頼できるのも、工務店だからこそかもしれない。

さらに、スケートボードはインテリアにも活用されており、2階の金属製フェンスに飾られている他、TVボードの棚板にも使われている。

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玄関からリビングを眺める。
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リビングの土間部分には、ワンちゃんたちのケージやスケートボードが置かれている。

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ヘリンボーン張りのTVボードに取り付けられたスケートボード。
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フレンチブルドッグのコハクくん(左)とサクラちゃん(右)。

 

ハワイの雑貨も調和する、居心地も抜群のリビング

昨年末に調理学校の研修旅行で学生たちと共にハワイに行ったという奥様。現地ではレストランで実習をしたり、現地のカフェを巡ったりしていたそう。その後年が明けてから、今度は新婚旅行で再びハワイを訪れた。

「シボレーのカマロを借りてドライブをしたり、ロングボードを借りてサーフィンをしたり。初めてのハワイでしたが、ずっと天気もいいし嫌なことを忘れますね(笑)。ノースショアはサーファーが多く、地元の人がバイクや自転車にサーフボードを引っ提げて走っていたりするんですが、そんな雰囲気もよかったです」とハワイを満喫したご主人。

家の中のインテリアとして、随所にハワイで購入した絵や雑貨などが飾られ、それらがまた家の雰囲気にもよく似合っている。

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「家を建てる前にイメージしていた通りの暮らしが叶えられましたね。遊びに来る友達も『居心地がいいね』と満足してくれています。それでついついお酒を飲み過ぎてしまうことが多いですが…(笑)」(奥様)。

これから初めての夏を迎えるにあたり、まだ手を付けていない庭に芝を張って、愛犬たちのためのドッグランをつくる計画を立てているそう。

「リビングの横にウッドデッキがあるので、ソファーを外に出してバーベキューも楽しみたいですね」(ご主人)。

生活するのに必要な広さを確保した上で、キッチンを中心に置き、ゲストとの交流を楽しめるようにと、目的を明確にして家づくりを進めたAさんご夫婦。明快なコンセプトに基づいて設計された家は、二人の価値観や暮らし方にフィットし、友人たちと共に過ごす豊かな時間を叶えてくれている。

「いつかは自宅で料理教室を…」という奥様の夢はまだ具体化されていないが、ここでの料理教室はただ料理の技術を教えるだけでなく、充実した食の時間を愉しむことの大切さまでも、体験を通して伝えることができそうだ。

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この家の唯一の個室がこちらの寝室。奥にはウォークインクローゼットが。
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寝室とリビングの間にある洗面台。ブルーを基調としたタイルがかわいらしい。
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寝室側からキッチンを眺める。この廊下により、プライベートな領域とパブリックな領域がうまく分けられている。

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A邸
新潟市西区
延床面積 126.90㎡(38.39坪)
竣工年月 2016年12月
施工 株式会社 Ag-工務店(旧名 渡部建築)Facebookページ
設計 加藤淳 一級建築士事務所Faceboookページ