【糸魚川ISSH認定住宅の暮らし探訪②】吹き抜けから光が注ぐ、木がふんだんに使われた住まい

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鈴木 亮平

新潟県聖籠町在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。

糸魚川住宅基準“ISSH(イッシュ)”認定住宅で暮らすオーナーさんへのインタビュー。(ISSHの概要は、第1回目の記事をご覧ください)

第2回目は、大きな軒付きのウッドデッキが特徴的なOさんご家族の住まいです。2024年8月に完成したこちらのお宅の断熱性能はUA値0.25(ISSH★★)で、外壁の一部と柱、1階の床に糸魚川杉を使用。

ご夫婦と2人のお子様の4人で暮らしています。では、さっそくお話を聞いてみましょう。

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地元の木を使うのは、なんとなく気分がいい

――家づくりをしようと思ったきっかけは何でしたか?

ご主人 以前は私の実家で同居していましたが、子ども部屋がなく手狭に感じるようになり新築をすることにしました。

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――ISSHの家にしようと思った理由を教えて頂けますか?

ご主人 ISSHの家にしたいという強い思いがあったわけではありませんが、見学会で糸魚川の木を使った家を見ていいなあと思っていました。

糸魚川の木を使ってなければダメということではないですが、地元で採れた木が自分たちの家の一部になるのは、地産地消でなんとなくいいなと思いましたね。

糸魚川杉を採用することで極端に費用が高くなるわけでもないですし、補助金が出るのも魅力でした。

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夏も冬も1台のエアコンで快適な温熱環境をつくり出す

――8月に完成して住み始めたということですが、夏の住み心地はいかがでしたか?

ご主人 夏は家の中に入った瞬間から涼しくて、それは実家と比べると明らかに違いましたね。

夏場は2階のエアコン1台だけを使って過ごしていました。建築会社さんには「もし暑かったら1階のエアコンも使ってね」と言われていましたが、ほぼ使うことはなかったですね。友達家族が集まった時に一度使ったかな?というくらいです。

省エネ性能も高く、夏の一番暑い時期にずっと冷房を入れっぱなしにしていましたが、電気代は13,000円程度と安く感じました。

――12月に入って寒い日が増えましたが、冬の快適さはどうでしょう?

ご主人 最近実家に行くと、暖かい部屋と寒い部屋の温度差があって、寒い部屋に行くと本当にヒヤッとします。一方この家では部屋ごとの温度差がなく、それが当たり前になっているので、実家に行くと「こういう感覚だったな」というのを思い出す感じです。

今は2階のエアコンは使わず、1階の床下エアコンだけを使って暖房しています。

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1階と比べると2階の方が若干涼しいかな?という感じもしますが、2階の寝室で4人で寝ていると、自分たちの熱でも暖まりますね。

エアコンは日中仕事に行っている間は止めていて、夕方帰ってから翌朝家を出るまで暖房をつけています。夕方帰ってきたときに温度計を見ると、今のところ19℃より下がっていることがなく、断熱性能の高さを感じますね。

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奥様 夏は涼しく冬は暖かくて快適です。子どもたちは寒暖差で体調を崩しやすかったので、そういう点でも安心できます。ただ、保育園で流行っているウイルスがあったので、それらはしっかり罹りましたが…(笑)。

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断熱性能を妥協しなくて良かった

――ISSHの条件に、地元の建築会社さんで建てることがありますが、その魅力はどんなことでしょうか?

ご主人 大きい住宅会社さんの場合、担当者さんが変わることが多いと思いますが、地元の小規模な会社さんの場合はそれが少ないでしょうし、それによってアフターがより安心できるのかなというイメージがあります。

――これから住まいづくりをされる方に向けたアドバイスなどはありますでしょうか?

ご主人 断熱性能を高めると材料費も上がってしまうので、最初は「性能を落としてコストを抑えた方がいいね」という話を妻としていました。でも、建築会社の社長さんからは「断熱性能はお客さんが一番良かったと感じることだから、下げない方がいいですよ」という助言を頂き、お薦めして頂いた性能で建てることにしたんですよ。

実際に住んでみて、その通りにして良かったなと感じています。断熱性能に関しては妥協しない方がいいですね。

それから、この家には大きな吹き抜けがありますが、その分床面積が減るので、吹き抜けはない方がいいかな?と思っていました。でももしこの吹き抜けがなかったら、ダイニングのあたりはけっこう暗くなったのかな?と今住んでいて感じます。

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自分たちは建築に関しては素人ですから、やはりプロのアドバイスは聞いた方がいいですし、そうして良かったなと思います。

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思わず寝転がりたくなる、やわらかい杉の床

――1階の床には糸魚川産の杉を使用されていますが、使い心地はいかがですか?

ご主人 感触がすごく気持ちいいですね。夏はさらりとしていますし、冬もヒンヤリしないので、私ははだしで過ごすことが多いです。ただ、傷が付きやすいのは気になりますね…。子どもたちがおもちゃを落とした時や、ソファを引きずった時の傷がけっこう付いています。

奥様 スリッパなしでも快適に過ごせるのが杉の床のいいところだと思います。子どもたちも床が気持ちいいようで、よくゴロゴロして過ごしていますね。

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――外壁の一部にも糸魚川杉を使われていますが、こちらは経年変化が始まっていますか?

ご主人 西日が当たる道路側がだいぶ色が薄くなってきましたね。私は最初の色が好きだったので少し残念ではあります…(笑)。

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ポーチの内側も同じ無塗装の糸魚川杉が張られていますが、こちらは日が当たらないのであまり変化はしていません。

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冬でも家の中が暖かく、毛布1枚でOK

――この家に住んで満足していることや気に入っていることはどんなことでしょうか?

ご主人 断熱性能や日当たりの良さ、明るさなどがすごく満足していることですね。あとはご提案して頂いた建物の形も気に入っています。

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奥様 全部気に入っていますが、小上がりのカウンターで子どもが絵を描いているのを見ていいスペースだなあと感じています。

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それから、洗面台が広くて使いやすいですし、キッチンも余裕があり、料理中に子どもたちが来ても窮屈にならないのもいいところです。

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洗濯物は脱衣室と洗面室で干していますが、暖房を使う冬は特に乾きやすいですね。

――この家に住んでから、生活の仕方で変わったことはありますか?

ご主人 家の中が暖かいので、掛け布団を使わず、この時期でも毛布1枚だけで寝られるようになりました。あとは、家の中で服を着込むことがなくなりましたね。私は暑がりなので今のようにロンT1枚で過ごしていることが多いです。

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UA値0.25という高い断熱性能に加え、足元から家全体を暖める床下エアコンが搭載されたO邸。やわらかな感触の糸魚川杉のフローリングが広がる住まいで、家族4人が楽しそうに過ごされていたのが印象的でした。

次回はカントリー調の温かい雰囲気が満ちたISSH認定住宅をご紹介します。

【O邸DATA】
竣工年月:2024年8月
延床面積:114.26㎡(34.56坪)
UA値:0.25
耐震等級:3(許容応力度計算)
糸魚川住宅認定基準ISSH:★★

ISSH公式WEBサイト

取材コーディネート/緑でつなぐ未来創造会議(3M)・糸魚川商工会議所

写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平

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鈴木 亮平

新潟県聖籠町在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。