鈴木 亮平
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糸魚川住宅基準“ISSH(イッシュ)”認定住宅で暮らすオーナーさんへのインタビュー。(ISSHの概要は、第1回目の記事をご覧ください)
第3回目は、シンメトリーの三角屋根がかわいらしいIさんご家族の住まいです。2024年8月に完成したこちらのお宅の断熱性能はUA値0.30(ISSH★★)で、柱に糸魚川杉を使用。ご夫婦とお子様の3人で暮らしています。
住宅の仕事をしている奥様が設計をし、地元工務店に施工を依頼して建てたのだそうです。では、お話を聞いてみましょう。
今の時代の流れに合う、高断熱の家にしたい
――家づくりをしようと思ったきっかけは何でしたか?
奥様 アパートがだんだんと手狭に感じ始め、家を建てたいなと考えるようになりました。ちょうど夫の実家の北側にあるこの土地が空いていたので、家を建てることにしました。
――ISSHの家にしようと思った理由を教えて頂けますか?
奥様 今世の中の流れとして断熱性能を高めていこうという動きがあり、将来的には高断熱であることが普通になると思います。なので、今家を建てるなら、その流れに沿った家にしたいなと思っていて。ISSHはクリアしておきたい基準でした。
それから、私は出身が上越市なのですが、糸魚川にずっと住んでいくのだから、糸魚川の木を使いたいという思いがありました。
冬でも寝る時は半袖短パンで
――8月に住み始めたということですが、4カ月ほど過ごしてみて、住み心地はいかがですか?
ご主人 最高ですね。断熱性能が高く、夏は涼しさが、冬は暖かさが逃げないなあと感じています。12月中旬の今は外の気温が低いですけど、家の中は暖かいので、寝る時は半袖短パンです。厚着しなくても快適に過ごせるのがいいですね。
アパートは寝室にエアコンがなかったので、寒い時期は寒いし、暑い時期は暑くて、過ごしにくかったです。
奥様 私も夫と同じですね。暖かいし涼しいしで、アパートで感じていたような不快さがありません。朝起きる時も、寒くて布団から出られないというのがなくなったので、起きてすぐに行動できます。
アパートではエアコンだけでは部屋が暖まらないので、灯油のファンヒーターも使っていましたが、灯油を入れるのも面倒でしたし、部屋の中の結露もすごかったです。
――この家は、奥様がご自身で設計をされたと伺っています。設計でこだわったことを教えて頂けますか?
奥様 最もこだわったのは開放的なつくりにしていることですね。エアコンの冷気や暖気が行き渡りやすくなるように、なるべく壁や扉で仕切らないようにしています。なので、玄関ドアを開けると、奥にあるリビングが見える設計になっています。大きなワンルームのような感じですね。
家づくりに地元の木を使うのは、自然なこと
――こちらでは糸魚川杉を柱に使われていると聞きましたが、糸魚川の木が使われていることで、何か感じることはありますか?
ご主人 構造材なのでほとんど壁の中に隠れていて、LDKにある2本だけが見えています。特に糸魚川の木に対して特別な思いがあったわけではないですが、私は糸魚川が地元なので、地元の木を使うことは自然なことでしたし、いいことかなと思って選びました。地元の木を使えば、地元にお金を落とすことができますしね。
性能という見えない部分も大切にしたい
――これから住まいづくりをされる方に向けたアドバイスなどはありますでしょうか?
ご主人 高気密高断熱の家の良さというのは、正直建てる前はイメージが湧かなかったんです。でも実際に住んでみて、その快適さを実感できたので、これから家を建てる人には高気密高断熱をお薦めしたいですね。その分建築費は上がると思いますが、それでも損はしないと思うので。
奥様 断熱材は壁の中にあるので見えないですけど、付加断熱で二重に張ってあり、そのおかげで快適に過ごせています。それから、耐震等級を最高等級の3にして頂いたので、安心感がありますね。
見える部分ももちろん大事ですが、見えない部分もしっかり考えることが大切だと思います。
――この家に住んで満足していることや気に入っていることはどんなことでしょうか?
奥様 床にパイン材を使ったり、玄関土間のすのこや、リビングの天井などにも無垢材を使ったりしたことで落ち着く空間ができ上がり満足しています。
ご主人 私はさっきも話したように、冬でも家で薄着で過ごせることです。以前は寝る時はスウェットを着ていましたが、今は秋も冬も半袖短パンで過ごせるので楽ですね。あと、夏から冬までずっと同じ薄めの布団1枚で寝られるようになりました。毛布とかはもういらないです。
冬場の室内干しは、過乾燥を防ぐ効果も
――断熱性能が高い家は、冬の洗濯物の乾きがいいと聞きますが、いかがですか?
奥様 冬になってから洗濯物がすごくよく乾きます。2階のホールに洗濯物を干すスペースがありますが、夜干しておくと翌朝にはしっかり乾いていますね。冬はエアコンの暖房で空気が乾燥しやすいので、洗濯物は加湿をする上でも役に立っていると思います。
――この家に住んで、変わったことはありますか?
奥様 キッチンが広くなったので料理をもっとやりたいと思えるようになりました。これからお菓子作りを始めたいです。
あと、アパートの時と比べて子どもが遊べる範囲が広くなりました。この家の1階は仕切りが少ないので、リビングだけでなく、一人で玄関や和室の方に行って遊んでいたりします。すごく伸び伸びと過ごしていますね。
広い空間になったことで、私も好きなヨガを再開できました。
ゆったりとした吹き抜けがある玄関が印象的なI邸は、天然木やタイルがふんだんに使われたカントリー調の住まい。開放的な家の中は隅々まで暖かく心地いい空気で満たされていました。
次回はリビングに観葉植物があふれるISSH認定住宅をご紹介します。
【I邸DATA】
竣工年月:2024年8月
延床面積:130.83㎡(39.58坪)
UA値:0.30
耐震等級:3(許容応力度計算)
糸魚川住宅認定基準ISSH:★★
取材コーディネート/緑でつなぐ未来創造会議(3M)・糸魚川商工会議所
写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平
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