まるでアート作品!宙に浮くダイニングテーブルを手掛けるサトウ工務店

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鈴木 亮平

新潟県聖籠町在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。

みなさん、映画は好きですか?

夏休みに入ったものの帰省する以外はこれと行った予定もないし、暑い中無理に出掛けてもね。

そう思っているあなたは、家でアイスを食べながらAmazonプライムやネットフリックスで映画でも見て過ごそうかと考えているのではないでしょうか?

私事で恐縮ですが、好きな映画ベスト10に『バックトゥザフューチャー』が挙げられます。その中でも好きなのが、未来の世界に行った主人公のマーティが空飛ぶスケボー「ホバーボード」で移動するシーン

地に足が着いているスケボーの既成概念と重力から解放され、自由に街を飛び回るあの映像は何度見てもワクワクドキドキさせられます。

 

脚がない!ステンレス天板が宙に浮いているように見えるテーブル

そんなホバーボードを彷彿とさせる近未来型のダイニングテーブルを新潟市内の住宅で見つけました。

なんと、脚がないのです。

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キッチン側から伸びる片持ち梁の部分がそのままダイニングテーブルになっていますが、ステンレスの天板もキッチンから続く長い一枚板。

継ぎ目のない美しさ、そして、片持ち梁になっている部分の薄さが実にスマートです。

気になる強度ですが、端の部分に体重を掛けてみてもビクともしません。100kgの荷重を掛けてもたわみは3mm以内なのだそう。

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この住宅とキッチンを設計したのが、三条市にある株式会社サトウ工務店の代表・佐藤高志さん。

なぜこのようなキッチンをデザインしたか聞いてみると「せっかく造作で自由にキッチンをつくれるのだから、これまで見たことがないものをつくってみたかったからです」とのこと。

住宅の構造を突き詰めることで耐震等級3をクリアしながら自由な形を実現する佐藤さんは、デザイナー気質とエンジニア気質の両方を兼ね備えています。

また、特別な意匠を施さずに、よりシンプルで美しく見せる納まりを常に追求している佐藤さんですから、脚のないダイニングテーブルはそのような美意識から自然と生まれたデザインなのでしょう。

ちなみに今月、サトウ工務店の住宅のさまざまなディテールを紹介した専門書「サトウ工務店の標準仕様書 デザイナーズ工務店の木造住宅納まり図鑑」がエクスナレッジ社より発売されるそうです。

もちろん、宙に浮くダイニングテーブルの詳細も紹介されているそうですので、興味のある人は手に取ってみてはいかがでしょうか。

また、このダイニングテーブル兼キッチンは、単体でのオーダーも受けられるそうです。キッチンリフォームや店舗改装をする人は相談してみてはいかがでしょうか?

 

誰が住んでも違和感のない匿名性のある家をつくる

常に独自性のある住宅を手掛けることで口コミのみでの受注が続くサトウ工務店ですが、今取り組んでいる家づくりについて佐藤さんは次のように語りました。

「住宅を建てた方が必ずしもずっと住み続けていく時代ではなくなってきたことを感じています。何かしらの事情で手放さなければならなくなることが、以前よりも起こりやすくなってきているようです。そこで、最近では誰が住んでも違和感なく使えるような設計を以前よりも重視するようになりました」。

この家は23.5坪の平屋で、間取りは2LDK。3人家族で住まう家ですが、2つの個室は仕切りを取り払えば14畳の空間として使うこともできるなど、可変性も持ち合わせています。

それは住宅を社会の共有財産として活用できるものとして捉える考え方でもあり、汎用性を持たせることで資産性を高められるという考え方でもあります。

「この15畳のLDKについても、家具の配置などは細かく想定していません。住む方に自由に使ってもらえたらいいなと思っているからです」。

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DSC_1203 たしかに、テレビが好きな人はソファをテレビ向きに置けばよく、庭を眺めるのが好きな人は庭に向けてソファを置けばよい。

ガチガチに固定しないことで自由度が高まりますし、家族の成長に合わせて家具そのものや配置を変えていける余白がここにあります。

建築の美しさと、汎用性の高さ。

一見、相反しそうな2つを組み合わせた住宅の在り方がこの平屋にありました。

2019/8/11現在はまだ施工例がアップされていませんが、サトウ工務店のWEBサイトのWORKSに近々竣工写真がアップされると思います。

取材協力:株式会社サトウ工務店 佐藤高志さん

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鈴木 亮平

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