壁に守られる安心感。完全なるプライベートテラス

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鈴木 亮平

新潟市在住のフリーランスの編集者・ライター(屋号:Daily Lives)。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙・WEB問わずコンテンツ制作を行う。

新潟市江南区郊外。日当たりのいい南向きの土地に立つ住まいを訪れました。

「南向き」と聞くと条件のいい土地だと思いますが、こちらの土地にはひとつ課題がありました。

それは、南側にある道路が交通量の多い県道で、ダンプカーなどの大型車も頻繁に行き来することでした。

明るい南側に開いた家にしたい。しかし、目の前は車通りの多い道路。セオリー通りに建ててしまえば、音や目線が気になりますし、安全面も心配です。

そんな課題を解決するために、この家の設計施工を手掛けた株式会社モクシア・北澤学さんとお施主さんが選んだのは、道路側を壁で完全に覆うという選択でした。

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このような、城壁のような壁で守られており、通りから中をのぞくことはできません。

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いったいこの中はどうなっているのでしょうか?

写真と共に詳しく解説をします。

 

アウトドアシアターもできる、大きなプライベートテラス

こちらの住まいは南と東が道路に面した角地です。

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外から中の様子が見えにくい建物は、要塞を彷彿させる佇まいです。

上の写真からは、南側(写真左)に目隠し用の壁が伸びているのが分かります。

そこにプライベートテラスがありますが、写真手前に写っている黒い引き違い戸を開けて入ることができます。

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奥行きのあるプライベートテラスと外を繋ぐ引き戸。それはまるでドラえもんの「どこでもドア」のように、2つの世界を繋ぎます。

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四方を壁に囲まれたテラスは、外からの視線が届かない秘密の中庭。

建物と外側の壁の間に2本の梁が伸びていますが、そこにはハンモックやタープを掛けるフックが付いているため、アイデア次第でより快適な屋外空間にカスタマイズ可能です。

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フックはランタンを吊るすのにも良さそうです。

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テラスに面して、リビングの掃き出し窓、ダイニングの窓、ランドリールームの掃き出し窓が連なっています。

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それにしてもこの広さ、数十人のゲストを呼んでバーベキューパーティーができるゆとりがあります。

プロジェクターとスクリーンを用意してアウトドアシアターをしたり、プールに水をはってナイトプールを楽しんだりと、普通の家ではなかなかできない非日常的な体験がここでは現実のものとなりそうです。

 

レッドシダーにセメント板。質感豊かでシックなリビング

テラスに面したLDKを見てみましょう。

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壁が外からの視線を完全にシャットアウトしてくれるため、カーテンもブラインドも不要。それにより窓回りがすっきりとしています。

この壁の計画にあたり、モクシアの北澤さんは、材木店で壁を組んでシミュレーションを行い、県道を走るダンプカーから中の様子がのぞけないギリギリの高さに決めたそうです。

壁を高くし過ぎて閉塞感が出ないように、プライバシーと開放感の両方が最適になるように緻密に計算されています。

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リビングは勾配天井で高さを出し、レッドシダーの羽目板仕上げに。

中央の4.5畳は畳敷きですが、空間全体のトーンに合わせてグレーカラーでコーディネート。

グレーの壁は、使用済みコーヒー豆などのリサイクル素材を使ったセメント板「SOLIDO」を採用しています。

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テラスと反対側の壁にはちょっとした作業ができるデスクと、大容量の収納が設けられています。

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端の収納の下には、ロボット掃除機「ズンバ」を格納できるスペースも。

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床は、猫が歩きやすく傷が付きにくい、ペット用のフローリングが使われています。

 

タイルで仕上げられたカフェライクなキッチン

リビングの隣はダイニングとキッチン。

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キッチンの壁はライトな茶色のタイル張り。

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キッチンはTOTOの「THE CRASSO」で、ダークグレーの面材が空間を引き締めます。

壁にはカフェライクな飾り棚。

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お気に入りの雑貨やグリーンはもちろん、調味料やシリアルもおしゃれなインテリアとして空間に溶け込みます。

キッチンのIHクッキングヒーター脇の壁の裏はマグネット塗料を塗った壁。

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学校のおたよりや、ちょっとしたメモ、ゴミの日カレンダーなどのごちゃごちゃしがちな書類はまとめてこちらの壁へ。

オープンなキッチンで家族と会話を楽しみながら調理ができますし、好きな番組やYouTubeをテレビで見ながら過ごすこともできます。

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その隣のダイニングは、縦長の滑り出し窓から印象的な光が差し込む落ち着いた空間。

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建具や家具のトーンも統一されており、特に夜はおいしいお酒が楽しめそうです。

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広く使いやすい水回りゾーン

キッチンの奥は、ランドリールーム、脱衣室、浴室が一直線に並ぶ水回りゾーン。

ランドリールームはテラスに面した明るい空間で、タイル張りの洗面スペースも備えられています。

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隣の脱衣室で洗った洗濯物はこちらへ。たっぷりと中干しができますが、洗濯物を外の風に当てたい時は、掃き出し窓からスムーズにテラスへ出られます。

造作の洗面台は幅広で物を置きやすく、たっぷりと設けられた棚は観葉植物を飾るのにも良さそうです。

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隣の脱衣所もゆとりある空間で、収納ケースを並べれば、乾いた衣類やタオルを短い距離で片付けることができます。

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この水回りは、キッチンの両サイドから出入りできる回遊動線になっており、スムーズに行き来できるのもポイントです。

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機能的なアプローチ&玄関

ここで一度外へ出て、東側のファサードを見てみましょう。

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まだ土間コンクリートが打つ前の状態ですが、カーポートから雨に濡れずにポーチへと行き来できるように設計されているのが分かります。

玄関ドアを開けて、こちらから中に入ってみましょう。

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ゆったりとした玄関で、壁にはアクセントのレッドシダーが張られています。

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壁の一角には、出掛ける前に身だしなみをチェックできる大きな姿見も。

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その壁の裏側は便利なシューズクローク。

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上着や靴、バッグなどをこちらにたっぷりと収納できます。

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壁一面がOSBで仕上げられていますが、そこには傘を掛けられる金具も。

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一見ラフに見えますが、土間に傘立てを置くことなくスマートに傘を保管できます。

他にも、好きな場所に好きな金具を取り付けてカスタマイズするのも思いのまま。それが下地材のOSBを使うメリットです。

 

LDK⇔寝室を繋ぐ、猫用の動線も確保

最後に寝室を見てみましょう。

北側に設けられた寝室は、高窓から安定した光が注ぐ空間です。

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ベッドのヘッドボード側にカウンターが設けられており、スマホやワイヤレススピーカーなどを置くのに重宝します。

逆サイドからの眺めがこちら。

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階段状に設けられた棚はキャットステップで、猫がこのステップを伝って移動できるように考えられています。

壁の下部に小さな穴が開いていますが、こちらも猫用に配慮された設計です。

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この穴を使って寝室から階段下へ出て、その先のLDKへと自由に通れるようになっています。

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ちなみに階段下の空間は猫のトイレを置くための場所。LDKや寝室から離れた場所にあり衛生的です。

 

さまざまな魅力が散りばめられたこちらの住まいは、日常のさまざまなシーンを楽しく盛り上げてくれそうです。

夏場のテラスの魅力的な普段使いは、やはり、風呂上がりによく冷えたビールを持って出て、涼しい夜風を浴びながらの晩酌でしょうか?

「壁をつくる」という言葉はあまりいい意味で使われないものですが、家づくりにおいて、壁はプライバシーを守り、開放的な屋外空間を叶えてくれるもの。

改めて、壁の役割をじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

 

取材協力/株式会社mokusia 北澤学さん

写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平

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鈴木 亮平

新潟市在住のフリーランスの編集者・ライター(屋号:Daily Lives)。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙・WEB問わずコンテンツ制作を行う。