【インタビュー】「マイホーム購入時に誤った予算で失敗する人を減らしたい」新潟住まいのお金相談室・昆知宏さん

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鈴木 亮平

新潟市在住のフリーランスの編集者・ライター(屋号:Daily Lives)。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙・WEB問わずコンテンツ制作を行う。

個人が数千万円というお金を借り入れて購入するマイホーム。

その金額の大きさと長期間に及ぶ返済期間から、「どれくらいの予算が自分たちに適切なのかよく分からない…」と感じる人が多いのではないでしょうか?

しかしながら、購入をしてから「やっぱりもっと予算を抑えるべきだった…」と後悔してもやり直しがきかないのが戸建て住宅の特徴。

仮に月々のローン負担が重く感じ「手放したい…!」と思っても、大きな売却損が出る可能性が高いのです。

それゆえに老後までを見据えた家計のキャッシュフローをシミュレーションするライフプランが重要になります。

ライフプランをつくり、人生のどのタイミングで支出が増えるのか?老後の蓄えはどれくらい必要なのか?といったことを含めて住宅購入の予算を考える必要があります。

今回は住宅購入のお金の相談業務を行っている、新潟住まいのお金相談室株式会社の代表でありファイナンシャルプランナーの昆知宏さんにお話をうかがいました。

 

新潟住まいのお金相談室株式会社
代表・ファイナンシャルプランナー 昆知宏さん

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1983年生まれ。大学の教育学部で学び、卒業後は東京都内のベンチャー企業に就職。その後新潟に戻り、複数の企業で営業職に就いた後、住宅会社で経営企画と営業を経験。2014年に独立し新潟住まいのお金相談室を創業。

 

<インタビュアー>
Daily Lives Niigata(デイリー・ライブズ・ニイガタ)編集部
鈴木亮平

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1983年生まれ。美術系の大学で建築デザインを学び、旅行情報誌、地域情報誌、住宅情報誌の編集を経て2018年にフリーランスの編集者に。住まいや建築士・工務店を紹介するWEBマガジン「Daily Lives Niigata」を運営。

 

営業職のキャリアを積み、自身の家づくりがきっかけで住宅業界へ

鈴木:では、はじめに昆さんの経歴を教えて頂けますか?

昆:私は新潟市出身で、高校卒業後に秋田県の大学に行ったんですが、そこで教育学を学び教員資格も取りました。家庭科が専門だったんですけど消費者教育というのがあって、その時に、大人にも教育できることがあるんじゃないか…と考えていました。

ただ、その分野に就職したわけではなく、その後独立するまではずっと営業の道を歩んできました。

今になって、ファイナンシャルプランナーとして住宅購入のアドバイスを仕事にしていて、その時学んだことが役に立っています。

鈴木:それまでは大学で学んだ分野とは異なる仕事をしていたんですね。

昆:私が新卒の時はITベンチャーが注目されていたんですが、自分もそんな世界に憧れて、東京都内にあるベンチャー企業に入ったんです。そこは医療業界に特化した人材派遣の会社で、看護師さんや医師を派遣したり斡旋したりする仕事でした。そこで営業をやっていたんですが、朝の8時から終電前まで働くような生活で…(笑)。

鈴木:かなりハードな働き方ですね。。

昆:それで体調を崩してしまって。その後新潟に帰ってきて、問屋での法人営業を経て、医療業界の法人営業の仕事に就きました。

で、当時26歳だったんですが家づくりを考えたんです。

鈴木:26歳ですか!早いですね!

昆:当時若くて収入も少なかったので住宅購入を考えてはいなかったんですが、ちょうど祖父母の介護の関係で、両親から二世帯住宅にしようという話があって。

それで実家の隣の土地を購入して家を建てることになったんです。祖父母から資金援助をしてもらえるというのもあったので、建てちゃおうか!と(笑)。それで27歳の時に家が完成しました。

鈴木:たしか2階が昆さん家族の居住スペースで、1階がおじいさんおばあさんの居住スペースなんですよね。

昆:はい。で、隣の実家には両親が住んでいます。土地を広くして3世帯で住んでいる感じですね。

その時に家づくりを依頼した住宅会社の考え方にすごく共感し、そこで働いてみたいと思うようになりました。

自分はずっと営業をしてきたので、「こうしたら売上がもっと伸びるんじゃないか?」というプレゼンをさせてもらい、その後その会社に入ったんですよ(笑)。自分の家づくりがきっかけで住宅業界に入りました。

鈴木:それはすごいですね(笑)!

昆:その会社で数年働いた後、2014年に独立をして今に至ります。

 

本当に中立な立場でお客様にアドバイスをしたい

鈴木:「新潟住まいのお金相談室」を始めたきっかけについて教えて頂けますか?

昆:先ほどの経歴の話になりますが、独立する前までずっとものを売る仕事をしてきたんです。その中で、相手にとって最適ではないけれど売らなければ…ということがあったんですね。

そういうことをしているうちに、ものを売らなくてもお客様の役に立って喜んでもらえることがないのかな…と考えるようになったんです。

その結果、一生のうちで一番大きい買い物である住宅を第三者の立場で寄り添ってコンサルティングしていく仕事ができるんじゃないか?という考えに至りました。

当時そういう仕事がなかったので、そもそもニーズがあるかどうかも分からなかったんですけど。まずはやってみたいと思い独立をしました。

鈴木:それは住宅会社に勤めていた時に思ったんですか?

昆:はい。当時お客さんの初回対応はほとんど私がしていたんですが、いろいろと家づくりの思いや予算を聞いていくと、その家族にとって自社がベストというわけじゃない場合があります。当たり前のことなんですが。

例えば、本当はもっと予算を抑えられる別な住宅会社で建てた方が、その家族は幸せになれるだろうな…と思ったり。

それから、お客さんのライフプランを作っていく中で、仮に予算が厳しくても「家計が大赤字になりますよ!」という結果は出しにくかったり。

鈴木:なるほど…。どうしてもちょっと売る側のバイアスが掛かってしまうんですね。

昆:そうですね。それで完全に中立な第三者の立場でアドバイスできれば、その家族にとっての未来が劇的に変わるんじゃないのかな?と思うようになって。

それがこの仕事を始めたいと思ったきっかけです。

 

大事なのは、最初に無理のない購入金額を把握すること

鈴木:住宅購入時にお金の面でどんな失敗をする人が多いのでしょうか?

昆:家を建てようと思ったときに、一番最初に住宅展示場に行く方が多いですが、そこから自分たちの希望を叶える土地・建物の見積もりをとり、それを持って次に銀行に行く…、という3段ステップがあります。

そうなると当然土地も建物も自分たちが欲しいものを選んでしまうんです。それで見積もりを持って銀行に行くと、銀行も貸したいから貸してくれるんですよ。

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そのパターンで完全に忘れられているのが、自分たちの身の丈に合っているかどうか?ということです。単純に自分たちがいいなと思うものを選んで、銀行に行って「OK!」で終わってしまうので。

そうすると、得てして借入過多になってしまう場合が多いです。

そういう方は家が建ってローンを返し始めてから「返済が重い…」と感じるようになる。典型的な失敗例ですね。

鈴木:家が建ってから失敗したことを実感するんですね…。

昆:私がおすすめしたいのはその逆のやり方で、まず最初に無理のない購入金額を把握することです。そして、それを掴んだ上で展示場を巡るという流れです。

その予算の中で自分たちが欲しいものを探す作業をすれば、先ほどのような失敗は避けることができます。

鈴木:最初に予算が分かっていると、変に夢を見ないで済みそうですね(笑)。

昆:ただ、面白くないかもしれないですけど(笑)。

夢を見ることも大事なんですけど、自分たちにとって大きすぎる夢は、その後の人生を丸々お金に苦労する人生にしてしまうかもしれないんです。

なので、現実をきちんと見ながら、その中で理想の家づくりをするのが大事です。

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昆さんが作るライフプランの表計算には、支出や収入が細かく入力されている。

鈴木:借りすぎちゃう人は、現実を見ないまま突き進んでしまっているということなんですね。

昆:はい。あと、家を建てる時にまだお子さんがいなかったり、お子さんが小さかったりすると、その時点では家計の支出がそれほど多くないんです。

お子さんが高校や大学に入るときにお金が掛かってきますが、それが先過ぎて見えず、それで借りすぎてしまった結果、お子さんの養育費が多くなる時期に住宅ローンが重く感じるようになります。

シミュレーションによって、子どもの大学入学時と老後に家計が赤字に
子どもの大学入学後と老後に家計が赤字になったシミュレーション例。

あと、35歳以降で家を購入する人は、わりと収入も増えてきていたりして、心が大きくなっているケースがあります。それで、その収入に合った借入をしてしまうんですよ。

その高い状態を維持できるといいんですが、今の時代って、働き方改革の影響で残業代が稼げなくなったり55歳くらいで役職定年になったりとかで給料が維持できるとは限らないんです。

調子がいい時の収入に合わせて家を買って失敗をするというケースもあります。

鈴木:なるほど…。そのあたりは楽観的な考え方で進みたくなる人が多そうですね。自分で考えられると思っている人でも冷静な判断は難しそうです。

昆:それだけ人は長期的な視点で考えることが難しいということですね。

鈴木:ところで、新潟住まいのお金相談室さんのところに相談に来る方の特徴や共通点はありますか?

昆:「住宅ローンをいくらまで借りていいのか知りたい」という方がもちろん一番多いですね。

家づくりの段階としては、もう住宅会社と打ち合わせがかなり進んでいて契約直前の方もいますし、家づくりを考え始めたばかりという方もいます。

全体的にはある程度進んでいる方が多いですが、先ほどもお話ししたように、順番としては家づくりを考え始めたら最初に来ていただくのが一番いいです。

鈴木:ちなみに新潟住まいのお金相談室さんでは、初回面談は無料で、その次のマイホーム予算診断サービスは5,000円(税別)でやっていますよね。

家という高額な買い物で失敗しないための5,000円ですから、受ける側からするとすごくコスパのいいサービスだと思います。

誰もが独立系ファイナンシャルプランナーに最初に相談に行くというのがもっと一般的になるといいですよね。

 

お金の心配をすることに人生の時間を使って欲しくない

鈴木:これから家を建てる人はどんなことに気を付けるといいでしょうか?

昆:やっぱり「予算」ですね。人生全体で見てお金に苦労したくないのであれば、家を買うタイミングというのがとても大きいので。

そこで、どういう人生を送りたいのか?を考えるのが大事なんじゃないでしょうか。

家を買う時って舞い上がってしまうと思うんですけど、それまで自分が大事にしてきた趣味や家族旅行、子どもの養育など、総合的に考えてバランスを取って欲しいと思います。それが家族にとっての幸せにつながると思いますので。

家ってそれだけ大きな買い物なのに、ライト化されている雰囲気がありますが、警鐘を鳴らしたいところですね。

鈴木:そうですよね。トータル的な幸福度ってすごく大事だと思います。自分も家族と色んなところに出かけて色んな体験をすることが大事なので、そこは間違えたくないですね。

昆:そして、家を買ってからお金のことを心配しないで生活していってもらいたいと思っています。それが実現できて、初めて家からの満足感が得られると思うんですよね。お金の心配をすることに人生の時間を使って欲しくないですし。

そのために老後のための資産運用や、不安を取り除くための保険の選び方などさまざまなアドバイスも行っています。

鈴木:最後に、住宅を購入する人に対して今後昆さんが新しくやっていきたいことはありますか?

昆:いえ。これからも今まで通りやっていきます。淡々と事実を提示していくことが私の社会的使命だと思っていますので。

 

独立系ファイナンシャルプランナーとして、住宅購入時のお金のアドバイスを親身になってしてくれる新潟住まいのお金相談室の昆さん。

家を購入する際に、最初に無理のないマイホーム購入予算を正しく把握することの重要性を教えて頂きました。

そして、仮に家を買う予定がなくても、ライフプランを考えた上で家計をコントロールすることが家族の幸福度アップにつながるのだと思います。

取材では支出をコントロールするための具体的な考え方などもお話し頂きましたが、今回は文字数の都合で省略します。

昆さんに相談したいという方は、新潟住まいのお金相談室のWEBサイトから申し込んでみてはいかがでしょうか?

また、定期的に昆さんがWEBサイトに投稿しているお役立ち情報もとても参考になります。Facebookで最新記事投稿の通知が受けられますので、Facebookを利用されている方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

取材協力:
新潟住まいのお金相談室株式会社 昆知宏さん (Facebookページ

写真・文:鈴木亮平

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鈴木 亮平

新潟市在住のフリーランスの編集者・ライター(屋号:Daily Lives)。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙・WEB問わずコンテンツ制作を行う。