【インタビュー】年間1,000件のリフォーム経験を活かして良質な新築をつくる。ダイケンアーキテクツ・高橋尚久さん

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鈴木 亮平

新潟県聖籠町在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。

新潟県内ではTVCMでおなじみのリフォーム会社、ハートライフダイケン(株式会社大建建設)。実はリフォームだけでなく新築も手掛けており、2018年春には「ダイケンアーキテクツ」というレーベルを起ち上げて、本格的に新築事業に着手しています。

リフォームで培った経験を新築住宅に生かせるのがダイケンアーキテクツの強みと言います。

今回、住宅事業部部長で取締役の高橋尚久さんに、現在公開中のモデルハウス(新潟市中央区柳島町)にてお話を伺いました。

 

株式会社大建建設 ダイケンアーキテクツ
住宅事業部部長/取締役 高橋尚久さん

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1979年生まれ。新潟市出身。東京経済大学を卒業後、大手警備会社勤務を経て、2006年に株式会社大建建設に入社。リフォーム、大規模リノベーション、注文住宅と企画住宅などの現場管理、設計を経験し、現在は主に注文住宅とリノベーションの設計を手掛けている。

 

ハウスメーカーの施工やリフォームの経験を生かして、良質な新築住宅を提供する

鈴木:大建さんはリフォームのイメージが強いですが、新築部門である「ダイケンアーキテクツ」立ち上げの経緯を教えて頂けますか?

高橋:当社は今年で創業52年になる建設会社なんですが、元々はハウスメーカーさんの施工や、公共土木工事を請け負っていました。ただ、それ以外にも近隣の方から住宅リフォームの依頼が来ていて、徐々にリフォームの仕事も増えていったんです。

2003年にリフォーム事業部を起ち上げて、今では年間1,000件のリフォーム工事を行っています。リフォームをしていると、お客様からの紹介で新築のご依頼を頂くこともあり、本格的に新築事業を始めたのは最近ですが、実は以前からやっていたんですよ。

また、年間1,000件もリフォームをやっていると、家のいろいろな問題が見えてくるんです。当社では、ハウスメーカーの施工やリフォームで培った技術に加え、お客様が感じているたくさんの「不満足」の蓄積があります。それらをベースに積極的に良質な新築住宅を提供していきたいと考え、2014年に新築事業をスタートしたんです。

そして、2018年の春に「ダイケンアーキテクツ」というレーベルを起ち上げ、「心地よい暮らしをデザインする」というコンセプトを掲げて、改めて完全注文住宅の家づくりをスタートしました。

鈴木:リフォームを数多くやってきた御社だからこそ、お客さんが感じている住宅の課題をたくさん知ることができるんですね。

高橋:それから、家づくりをする会社は、大規模なハウスメーカー、地域の工務店、設計事務所と、大きく3つに分けられます。リフォームを通して僕らはそれぞれのいい所・悪い所を見てきました。その3つの業態のいい所を集めるような形で僕たちはやっています。

例えば、設計事務所さんによるデザインはかっこよくて自分も好きなんですが、攻め過ぎたデザインの家で不具合が出ているのを、リフォームを通して数多く見てきました。

一方ハウスメーカーさんの場合はある程度決まったプランから選ぶことが多く、デザインの自由度は少なくなってしまいますが、それは長期保証に耐えられるデザインなんですね。

あと、地場で評判のいい工務店さんはきちんとした施工ができ、アフターも素早く対応できるので、非常に信頼できるパートナーになります。

ダイケンアーキテクツでは、それぞれのいい所を取り入れた家づくりをしていこう!という考え方でスタートしています。

鈴木:バランスの良さを大事にしているんですね。

高橋:そうですね。例えば、家に帰ってきたときに自分の家が「かっこいいな、きれいだな」と思えることも大事ですし、性能や使いやすさも大事です。そして、引き渡し後もしっかりとアフターメンテがなされることも大事です。

デザイン、性能・使いやすさ、アフターすべてが優れた家づくりをしていきたいと思います。

あとは、実際に住んでからのことをきちんとイメージして、きめ細かい対応をできるように心掛けています。それは、リフォームを通してたくさんの「不満足」を知っているからこそ考えられると思っています。

例えば、新潟で快適な家にするには高気密・高断熱であることが重要ですが、高気密・高断熱の家に実際に住んでみるとものすごく乾燥するんですよ。温熱環境を良くしても、湿度もいい状態にしないと、不快感を感じたり、喉を痛めて風邪を引いたりしてしまいます。

そこで、うちでは温熱環境のことだけじゃなく、加湿器の選び方や最適な使い方など快適に生活できるように細かなサポートをしています。

断熱性能の高さだけを売りにするのではなく、きちんと住んでからの快適さも考えて導いて上げるのが、家づくりのプロとしての責任なのかなと考えています。

 

プライバシーを守りながら抜け感をつくり、居心地のいい空間に

鈴木:次にダイケンアーキテクツさんの設計の特徴について教えて頂けますか?

高橋:一つは「間取りと外観を一緒に考える」ということですね。中はいいけど、外がなんかかっこ悪いな…というのは嫌ですし、お施主さんの個性に合った外観にしたいとも思っています。

あとは、ご家族が大事にするスペースをしっかり設計することに気を遣っていますね。例えば、何となく「リビングが家族が集まるところ」というイメージがありますが、実は食事をするダイニングテーブルが最も家族のコミュニケーションが行われる場であることがあります。

ヒアリングをしながら、どのスペースがご家族にとって一番大事なスペースなのかを理解した上で、しっかり「暮らしをデザイン」したいと思っています。

それから、個人的にモダニズム建築が好きで、ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジエのように、時間が経っても廃れないデザインをしていきたいなと思っています。

鈴木:この家は外から丸見えにならないように設計されていますが、プライバシーも設計で重視していますか?

高橋:そうですね。例えば、分譲地では日当たりがいい南向きの土地が好まれ、そこに南側に開いた家が建てられることがよくあります。でも、そうすると道路から丸見えになって、結局1日中カーテンを閉めて過ごすことになります。それは施主さんが求めているものではないはずですよね。

日の光をしっかり取り入れながらもプライバシーが守られる設計は、プロとしてきちんと導かなくてはいけないと思っています。

あと、市街地に立つ昔の町屋の構造を見ると、通り土間があって、客間や居間、坪庭などが繋がっていて、密集地に立っていても開放的で家族の気配が感じられるつくりなんですが、僕らが提案する家も、吹き抜けを設けることで家族の気配を感じ合えるものにしたいなと思っています。

また、吹き抜けがあると、住宅が密集している場所だとしても、隣家を避けるように窓を設ければ、そこから青空や月が眺められて心地よさを感じて頂けるのかなと思っています。そういう「抜け感」も大事にしていることです。

 

吹き抜けのあるホールを中心に据えた住まい

鈴木:次にこのモデルハウスの特徴について教えて頂けますか?

高橋:まず、ここが信濃川沿岸に立っているので、その眺望を活かした設計にしています。また、ゼロエネルギー住宅でもあり、機能性・住みやすさも考慮しています。

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家の中心が吹き抜けのあるホールなんですが、ここが最も日当たりが良く開放的なスペースになっています。友人や親戚が集まる時にはここで食事をして過ごしていただくようなイメージですね。

ほとんど空間を仕切っていなくて、延床面積はインナーガレージを含めず37坪。将来的に2階を間仕切りできますが、間取りは1LDKなんですよ。敷地の広さは50坪です。

鈴木:50坪の土地なんですね。家の中も開放的で広く見えますし、外の眺望もいいので、もっと広く感じますね。

高橋:この土地は特に開放感のある場所ではありますが、視界の抜けはすごく大事だと思っています。同じ広さのリビングでも、外へ向かう視界の抜けをつくってあげれば空間が広く感じられますし、外と繋がっていることで精神的な安らぎを得られると思います。

鈴木:この家の場合は、リビングは真ん中ではなく、あえて端っこにレイアウトしているんですね。

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高橋:ソファーがある場所は、リビングと言うよりは映画や音楽を楽しむスペースと考えています。この家の場合は、家族が過ごす中心はダイニングキッチンなんですね。

ソファーがある場所は天井にスピーカーを設置するなど音響システムを取り入れていて、リビングシアターが楽しめるようにしているんです。

あと、窓を高い位置に切っているんですが、外からは中をのぞかれることがなく、中からはちょうど朱鷺メッセが望めるんです。夜景は特にきれいですよ。

鈴木:確かにあの窓、絶妙な位置にありますよね!

リビングが家の中心という固定概念がありますが、この家はもっと自由につくられていますね。

高橋:はい、この家の場合はあくまでホールが中心です。一見、無駄に思われてしまうような間が素敵だったりするなと思っています。大人数でわいわい過ごすのもいいですが、一人掛けのソファを持ってきて、日光を浴びながら読書を楽しむという使い方もいいなと思います。

鈴木:空間の色はモノトーンを基調とされているんですね。

高橋:そうですね。コンクリートと鉄と木の素材感を出したかったんです。壁や天井をモルタルで仕上げたり、洗面スペースやリビングの壁には古レンガを張ったりしています。実際に中国の古い建物で使われていたレンガなんですよ。

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あと、キッチンも空間と一体感を出したかったので黒いメラミンで仕上げていますね。

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鈴木:キッチンが家具みたいに空間に溶け込んでますよね。ダイニングテーブルもキッチンと一体になるように造作しているんですね。これは何の木ですか?

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高橋:これはオークですね。ホールの床や2階の床もオークにしていて、木はオークをメインに使っています。

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鈴木:玄関のドアを開けると空間全体が見渡せる間取りも特徴的ですよね。

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高橋:廊下を設けずに空間をより開放的にしたいという考えで設計をさせて頂きましたね。あとは回遊できる動線にしたかったので、玄関からキッチン横のパントリーに向かう動線と、ホールに入る動線の2つを設けています。

鈴木:本当に家がワンルームのようですよね。すごく広く感じます。

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高橋:建具も少なくて、1階の建具はトイレとパントリーにしかないんですよ。天井の仕上げや高さの違いで、空間にメリハリを出しています

2階は個室が1つあり、あとは浴室、洗面脱衣室、ウォークインクローゼットとフリースペースですね。川沿いの景色が眺められる場所に書斎スペースも設けています。

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1階のホールの前の坪庭にはこれから木を植えるのですが、それが目隠しにもなり、家の中に居ながら自然を楽しめるようになります。

 

リフォーム、リノベーション、新築。住まいのことをトータルでサポート

鈴木:それでは、今後の家づくりで目指していることなどがあれば教えて頂けますか?

高橋:工務店視点ではなく、生活者視点でしっかり家づくりをしていくということですね。いいデザインでちゃんとしたものをお客様に提供していくこと、そして潜在的なニーズも掘り起こしていきたいと思っています。

あとは、リフォーム事業をやっていますが、リノベーションにも今後力を入れていき、住まいのことなら何でも提案できるようにしていきたいと思っています。

もちろん闇雲に事業を拡大していこうというのではなく、お客様の幸せを考えて仕事を丁寧に行い、しっかりと支持をされながら新潟の地域の皆様に貢献していきたいなと思っています。

あとは、株式会社大建建設のミッションでもある「ずっと暮らしたい新潟へ。」のもとで、同じ価値観を持つ別の業界の方とも今後一緒に何かできたら面白いなと思っています。

 

リフォームから新築まで、住まいに関することを幅広く行う株式会社大建建設。誠実な仕事を行うことを重視し、着実に事業の領域を広げています。

今回訪問した柳島町のモデルハウスは2019年3月末までの期間限定の公開とのことなので、気になる方はお早めに問い合わせてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、新潟市江南区天野にもモデルハウスがあり、随時見学予約を受け付けています。

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天野モデルハウス(画像提供:ダイケンアーキテクツ)

モデルハウスにて、ダイケンアーキテクツのデザインや家づくりの考え方に触れてみてはいかがでしょうか?

 

取材協力/株式会社大建建設 ダイケンアーキテクツ 高橋尚久さん

写真・文/鈴木亮平

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鈴木 亮平

新潟県聖籠町在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。