壁に絵画を飾りたくなる、美術館のような空間。11/14(土)・15(日)あかがわ建築設計室「包守の家」見学会開催

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鈴木 亮平

新潟市在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。

株式会社あかがわ建築設計室(新潟市中央区親松)は、赤川仁一さん・聖子さんの夫婦で営む設計事務所であり工務店。

Daily Lives Niigataでも2年前にインタビュー取材を行っています。

【インタビュー】家を「デザインする」のではなく「しつらえる」あかがわ建築設計室

このインタビューの時に最も印象的だったのが、夫・仁一さんのこの言葉。

「僕らの仕事は家をしつらえることで、あまり主張するようなことはしたくないですね。」

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このインタビューの後、約2年の間に赤川さんが設計を行ったいくつもの新築住宅が完成していきましたが、環境や家族の要望ごとに家の形は変われども、この価値観は一貫して全ての家で表現されていました。

それはまさに「主張しない家」

私は赤川さんがつくる家に入ると、いつも「美術館の中に居るみたいだ」と感じていましたが、その理由は、この考え方にあるのだと思います。

開口部などに現れる線の存在感を極力消し去り、階段の踏面や蹴上げの厚さまでも薄くコントロール。

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装飾的なものはあまり見当たらず、建築が背景に徹しているのです。

それゆえに、器や植物、家具などが置かれると、それらの物が浮かび上がるように感じられます。

私は赤川さんの設計した家の壁を見ていると、そこに絵を飾ってみたい気持ちに駆られます。

余計なものは置かずに、これぞという絵を飾り、コーヒーを飲みながらぼーっと眺めていたい。

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家をつくるという行為においては、自ずと何かを足し続けたくなりそうですが、足さないどころか、むしろ引いていく家づくりが赤川さんの特徴であるように思います。

 

11/14(土)・15(日)新潟市中央区鳥屋野で、「包守(かねもり)の家」の見学会開催

ここまで、改めてあかがわ建築設計室さんの住まいについて私なりに特徴を語ってみたのですが、今週末に新潟市中央区鳥屋野で見学会を開催する「包守(かねもり)の家」は、特にその「主張しない」という感覚が強く現れているように思います。

それは、勾配天井によってつくられた大空間がそう感じさせるのかもしれません。

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上の写真は2階ホールから1階を見下ろしたものですが、目に入ってくる要素が少ないため、ソファやテーブル、真鍮のペンダントライトなどが生きてきます。

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もし空間がごちゃごちゃしていたら、ここまでこのペンダントライトが意識されることはないでしょう。

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ダイニング側から見るソファ側の壁が特にきれいだなと思うと同時に、ここに大きな抽象画を飾ってみたら本当に美術館のような空間が完成しそうだなと思いました。

もはや余計なものは極力持たずに、抽象画だけを眺めながら、慎ましやかな暮らしを送りたい…。

と、人様の家におじゃましながら、私の妄想は止まらない。

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玄関からリビング、ダイニング、キッチン、階段、2階ホール。

一般的にはそれらが同時に目に入ることはあまりありませんが、この家ではそれらが一つの空間の中にあります。

それゆえに光がよく回り、視線が遠くまで伸びていき、とても気持ちいい。

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この2階ホールもまた心地いい場所で、1人掛けのバルセロナチェアみたいなゆったりとしたソファが似合いそうです。

そして、このトンネルのような通路も注目したい場所。

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住宅に採り入れられるアーチは、甘さやかわいさが表現されることが多いように思いますが、赤川さん流のアーチはそうではなくて、実にシンプルで静謐さを感じさせる建築的なアーチ。

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こちらのお住まいは、新潟市中央区鳥屋野にあり、11月14日(土)・15日(日)10:00~16:00に完成見学会が行われます。

見学は予約制となっていますので、興味のある方は、あかがわ建築設計室さんのWEBサイトから予約申し込みをしてはいかがでしょうか?

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(画像をクリックするとあかがわ建築設計室さんのWEBページへ移動します)

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鈴木 亮平

新潟市在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。累計800軒以上の住宅取材を行う。